正看護師と准看護師の違いと資格の切り替え

一般に看護師として認識されている職業は正看護師であり、准看護師のことではない。
両者の仕事内容に差異はなく、経験を積んだ准看護師の場合は正看護師に劣らない知識とスキルを有していることも珍しくはない。
しかし、医療現場では両者を明確に区別しているのだ。

理由は資格の違いにある。
准看護師は公的資格であり、正看護師のような国家資格ではない。
准看護師は中学卒業後、准看護師養成所に入ることで、最短2年で仕事に就くことができる。
そのため、女性の高校進学率が低い時代には人気の進路とされていた。
一方、正看護師は高校卒業後、3~4年間は看護学校や大学(短大)に通って厚生労働省が指定する国家試験に合格しなければならない。
資格の種類や取得にかかる期間も異なるため、与えられる権利にも違いが出てくる。
准看護師は、正看護師のように自身の判断で仕事を行うことはできず、医師はもちろん、正看護師からも指示を受けなければ看護を行うことさえできないのだ。
給与や昇給も、正看護師と同等ではないことを覚えておく必要がある。
准看護師の主な募集先は、個人病院や診療所が多く、高度な医療を用いる総合病院での募集は限られてくる。

このように様々な制限のある准看護師だが、出世が望めない代わりに無理なく働けるというメリットもある。
非常勤として、週に数日や午前のみの勤務も可能なことから、主婦やシングルマザーに人気の資格でもあるのだ。
それでも立場に不満のある場合は、実務経験7年から正看護師を目指すこともできる。
通信制(2年)で資格を切り替えられるため、働きながら正看護師を目指す人には最適な資格と言える。